学んだことを無駄にしない
それにしても我ながら濃い人生だなと思います。友達には「波瀾万丈だよね」って言われますが、私は「バラエティに富んだ人生」だとポジティブに捉えているんです。
幼い頃の私はネガティブ思考でした。一方、母は楽天家で「嫌なことがあっても、試練ではなく経験という言葉に置き換えてポジティブに生きていこうね」と励まし、諭しながら育ててくれました。その影響でしょう、私は離婚も一つの経験にすぎないと冷静に捉えています。私が強くなるために用意された人生のシナリオだったのかな、と。
過去の私はちょっと考え方が凝り固まっていたのかもしれません。家には三船敏郎という“侍”がいたので(笑)、女は10歩くらい下がって男性を支えていくものだと思っていたのです。何でも自分がやらなくてはと思っていたけれど、甘えることも大事なんですよね。素直な自分の気持ちを相手に伝えることも。
その学びを無駄にしないことが再婚における私のテーマ。夫はあらゆることに協力的なので、我慢を強いられることはありません。問題は私の一人で頑張る癖が抜けないことなのです。
例えばゴミ捨ても、少しずつ手伝ってもらうようにはしているのですが、「できたら、捨てておいてくれたら助かるけど、無理だったら大丈夫だからね」としか言えない(笑)。彼には「捨ててきてねってシンプルに頼めばいいのに」とよく言われます。
ヘトヘトになっている私を見た彼に「なんで頼ってくれへんの?」と言われて「そうでした~」と思ったり、「美佳ちゃん、大丈夫?」と言われて自分がいっぱいいっぱいだったことに気づいたり。そのたびに私は自分のなかの新しい扉が開いたように感じます。夫に感謝ですね。