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「朝が弱い」「疲れやすい」は体質ではなく、脳が覚醒していないからかもしれません。自ら考案した「脳の朝活」で人生が一変したという《脳のスペシャリスト》の加藤俊徳先生が、とっておきの習慣をご紹介します(構成=山田真理 イラスト=宮下和)

《脳力》フル稼働で一日中疲れ知らず

朝起きたとき、頭がぼんやりしていたり、なんとなく疲れてスッキリしなかったりすると、一日中やる気が出ず、十分に楽しんで活動できないといった経験は、だれしもあると思います。

実はそれは、脳が覚醒していないことが原因の一つなのです。脳の覚醒とは、単に目が覚めている状態ではなく、意識や感覚がしっかり働き、生き生きと活動できる状態のこと。そのために必要なのは、「夜決まった時間に寝て、朝は明るくなったら起きること」「朝のうちに脳に適切な刺激を与えること」です。

そもそも文明の発達により、照明の下で夜遅くまで活動できるようになったのは、人類の歴史のなかでもごく最近のこと。それまで私たちの祖先は、太陽が昇ると同時に活動を始め、太陽が沈むと休息を取るという暮らしを続けてきました。

人間の体にはこういった暮らしに適応するため、朝目覚めて昼に活動し、夜になると眠るという「リズム」が備わっています。ところが現代では夜と昼の境がなく、この自然な状態が乱れているのです。

睡眠から覚醒へと脳がスムーズに切り替わる時間帯は限られています。具体的には、日の出から朝9時頃まで。このタイミングでしっかりと脳を活性化することで、脳の覚醒がうまくいくのです。