(イラスト:宮下和)

夜型生活をやめて人生が一変

実はかくいう私も、中学の時からずっと夜型の生活でした。医師になってからも、体力のある頃は、睡眠時間を削って研究や執筆を行っていました。

ところが50歳を過ぎた頃から、記憶力や集中力の低下を感じるようになったのです。それまでは多少疲れていても気力で何とかすることができたのですが、そうもいかなくなった。

そこでふと思い出したのが、30代の時アメリカの大学でともに働いていた同僚たち。彼らは毎朝5時半には起きて、プールやジムで体を動かしてから研究所に来て、午前中から非常に高いパフォーマンスを発揮していました。

彼らの姿から、朝に脳を刺激を与えることが重要なのではないかと考えたのです。そこで私は、長年の脳研究で得た知識を総動員して、朝のうちに脳を覚醒させる「脳の朝活」を考案し、習慣化してみました。

すると驚くほど仕事の効率と質が向上し、人生で今がいちばん自分の能力が発揮できていると実感しています。

現在も多くの仕事を抱えていますが、「脳の朝活」のおかげで無理に頑張っている感覚がありません。気持ちが前向きになり、人生がより楽しく、有意義に感じられるようにもなりました。

脳の活性化は認知症を遠ざけるのにも一役買うはず。ここからは、その具体的な内容をお話ししましょう。