親族の集まりで元気がなかったマリさんの義妹。事情を聞けば、長く暮らしてきた事実婚のパートナーと別れたのだそうで――。(文・写真=ヤマザキマリ)
イタリアの婚姻事情
先日、北イタリアの夫の実家で親族の集いがあり、久々に私も顔を出すと、3月に会った時は元気そうだった義妹がなにやらげっそりとやつれている。二人の幼い子どもたちの前では気丈にふるまっているが、笑顔を繕っても眉間に深く入ってしまった皺は消えない。
親族の一人が思わず、あなた大丈夫? と尋ねると「別れたのよ」とひとこと。
義父母は事情を知っていたらしく、気まずそうに子どもたちを連れてその場からそそくさと離れていった。
義妹は結婚をせずにパートナーと暮らしていた。二人の子どもたちが生まれたあとも、どちらも結婚する意向はなかったという。