日本の20歳以上の慢性腎臓病(CKD)の患者数は、約1480万人と推定されるそう。腎臓は「沈黙の臓器」と言われ、気づかないうちに悪化してしまうおそれがありますが、東北大学名誉教授の上月正博先生は「かつて<不治の病>とされてきた慢性腎臓病は、運動と食事で<治せる病>になりつつある」と語っています。そこで今回は、上月先生の著書『腎臓の名医が教える 腎機能 自力で強まる体操と食事』から一部引用、再編集してお届けします。
腎臓病の治療は急速に進化している
健康に長生きするためには、慢性腎臓病は警戒すべき病気です。
幸いなことに、慢性腎臓病への治療は急速に進化しています。慢性腎臓病は早期に発見し、治療を進めれば、もう不治の病ではないのです。
運動療法もその大きな進化の一つですが、ほかにも進展が見られます。その一つが、人工透析を開始する時期の変化です。
例えば、1983年の人工透析の開始年齢の平均は52歳でした。
それが、2021年には、平均71歳になっています。この40年で、20歳近く開始年齢が遅くなりました。
腎臓の治療が効果を上げるようになり、人工透析の開始時期を遅らせることが可能になったのです。