俳優の内野聖陽さん(左)と草笛光子さん(右)(撮影:天日恵美子)
2024年10月9日のNHK『あさイチ』プレミアムトークに俳優の内野聖陽さんが登場。井上ひさしによる、40年にわたる松尾芭蕉の人生を描いた”ほぼ一人芝居”の舞台『芭蕉通夜舟』への意気込みや、プライベートライフを語ります。そこで、25年来のつきあいがある草笛光子さんと、思い出を語り合った対談記事(『婦人公論』2024年5月号掲載)を再配信します。

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25年前、初対面ながら「昔からの知り合いみたいな気がする」と草笛光子さんが感じたという俳優の内野聖陽さんが、今回のゲスト。年齢差を忘れるほど打ち解けた関係性は微笑ましくも、「俳優」としての経緯が互いの絆を深めてきたことが伝わってきます(構成:篠藤ゆり 撮影:天日恵美子)

はじめてのミュージカル出演の前に

草笛 お久しぶりね。あなたと会うの、どれくらいぶりかしら。

内野 やだなあ(笑)、去年、草笛さんのおうちに行って飯食ったじゃないですか。草笛さんの撮影中、楽屋にも少しだけ伺いましたし。

草笛 そうだった? 私たちってなんていうのかしら、朋友でもない、幼馴染でもない……、

内野 幼馴染ということはないですけど(笑)、はじめてお会いしたとき、草笛さんは「あなたとは昔からの知り合いみたいな気がするわ」とおっしゃったんです。印象的な言葉でしたね。

草笛 ニール・サイモンの『裸足で散歩』で共演したのよね。もうずいぶん前のことだけど。

内野 25年前です。

草笛 はじめて会うような気がしなかったのは、仕事への向き合い方が似てると思ったからかな。あと、舞台で歩んできた人の匂いがしたんじゃないかしら。