撮影:山形屋平兵衛

京菓匠 笹屋伊織
どら焼

三月二十一日は弘法大師空海のご命日。
大師ゆかりの寺の 菓子をお伴に
うらうらと過ごす 春のひととき

どら焼といえば、かのネコ型ロボットの好物として知られる銅鑼形のおやつを思い浮かべますが、ここ笹屋伊織(ささやいおり)のものは銅鑼の上で皮を焼くためにこの名前が付いています。

毎月三日間だけ販売されるこの菓子は、東寺ゆかりの歴史あるもの。江戸時代末期、五代目店主が東寺の僧から「若い小僧たちのために副食を作ってほしい」と依頼を受けたのが始まりです。

どら焼 1棹1620円(税込)

精進で腹持ちの良いものをということで、卵は使わず、小麦粉に水飴やハチミツを練り込み、お寺でも作れるように銅鑼の上で焼いた皮を筒型に巻いたとか。このしっとりと甘い皮が独特で、中にはこし餡が入っています。包みの竹皮ごと適当な大きさに切り、手でつまめる手軽さも魅力。

最初は東寺だけに納めていましたが、いつしか評判となり、東寺の開祖・弘法大師の月命日とその前後に限って販売されるようになりました。