「カタログ優待」の「株主優待」の銘柄選びのコツは?
紹介した以外にも「カタログ優待」はありますが、実は銘柄も多く、どの銘柄を買うべきかは大いに迷うところです。そこで、筆者はいくつかのポイントを押さえるようにしています。
まず1つ目としては、株式投資全般にも言えることですが、余裕資金で投資を行うことです。特に、「カタログ優待」のうち、地方銀行のカタログギフトでは1年以上の保有継続の縛りがある銘柄も多く、売買を繰り返すほか、途中で売ると株主番号が変わり、権利がなくなってしまうこともあります。これを避けるために現物株を保有し続けることを、「修行」と呼ぶ人もいるほどです。
そのため、資金が拘束されてしまっても生活に支障がない程度の余裕資金で、長期保有を行っていきたいものです。
また、2つ目としては、買うタイミングが大事ということです。単元100株の銘柄において、1,000株以上で「カタログ優待」がもらえる場合なら、(1)100株単位で少しずつ買い集めていくと同時に、(2)株価が暴落したタイミングがあれば一気に買うといったように、「自分なりのシナリオ」を決めることです。
たとえば、紹介した大和証券グループ本社の株価は100株では約10万円ですが、カタログギフトをもらうためには1,000株が必要なので100万円以上が必要になります。こういった「カタログ優待」が欲しい際には、地道に買っていきつつも、安いと思った「買い場※」タイミングでは他の金融商品を解約したりして、多めに買うテクニックを取ったほうが全体の株価を下げることができるわけです。
※株を買うチャンスと思われるタイミングのこと
そして、3つ目として伝えておかなくてはいけない点は、いわゆる「カタログ優待」は縮小傾向にあるようで株主優待の廃止リスクもあることです。
有名リース会社の「カタログ優待」の廃止もあり、その企業は、今後、「配当等による利益還元に集約」すると言っています。また、大手通信会社の「カタログ優待」は自社ポイントがもらえる「ポイント優待」になりました。
過去のチャートを見ると、「カタログ優待」が廃止されるといったん株価が下がるのですが、営業利益が伸びている企業であれば、長期的なチャート(一定期間の株価をグラフにしたもの)では株価も戻っていることが多いです。
過去に「カタログ優待」を廃止した有名リース会社でも、株主優待廃止の際に「配当等による利益還元に集約」すると伝えています。しかも、この企業は業績にかかわらず配当金を維持・増額してくれる「累進配当」を行っていることもあるからか、株価は一時的に下がりましたが、その後、戻っています。
「累進配当」であれば、株主優待が廃止されても配当金は維持か、増えていくわけなので、「カタログ優待」が廃止されるのは残念ではあるものの、安心して配当金を受け取りながら長期的に保有し続けることができるでしょう。