アイドルからオートレーサーに転身した森且行さんを描いたドキュメンタリー映画『オートレーサー森且行 約束のオーバル 劇場版』が11月29日に全国公開されます。1996年に転身して24年、オートレースの最高ランクSG(スーパーグレード)で優勝を果たし、念願だった「日本一」の称号を手にした森さん。しかしその喜びも束の間、レース中の落車により、選手復帰が困難なほどの大ケガを負うことに。なぜこの道を選んだのか、そして奇跡の生還までの道のりを語ります(構成◎上田恵子 撮影◎本社・武田裕介)
オートレーサーがゴレンジャーに見えた子ども時代
幼い頃はものすごく活発で、とにかく家にいない、常に外で陽に当たっていたい子どもでした。体を動かすのが大好きで、よく自転車でレースをしていましたね。だから一年中、日に焼けて真っ黒。ちっちゃい頃の写真を見ると、冬でも日焼けしているのですから相当です。(笑)
オートレースとの出会いもその頃でした。最初は父が連れて行ってくれたんですが、僕の目にはレーサーたちが当時大好きだった「秘密戦隊ゴレンジャー」に見えたんですね。強烈に印象に残って、もう「カッコいい~!」ってなっちゃった。(笑)
僕にとってはゴレンジャー=オートレーサー。まさにヒーローです。
1歳上の兄貴は僕とは逆で、家にこもって音楽を聴いているようなタイプでした。兄貴も一緒にオートレース場に行ったことがありますが、僕ほどにはハマっていなかった気がします。僕は自ら「レース場に連れて行って」と父親にねだるくらい夢中でした。