(写真提供:Photo AC)
厚生労働省が公表した「介護保険事業状況報告(暫定)」によると、令和6年8月末時点の要介護(要支援)認定者数は、718.5万人だったそう。そのようななか、介護事業を運営する株式会社アテンド代表の河北美紀さんは「長期戦の介護を乗り切るには、必要な情報を得ることと、そして事前の備えがとても大切」と話します。そこで今回は、河北さんの著書『介護のプロだけが知っている! 介護でもらえる「お金」と「保障」がすらすらわかるノート』から、「介護破産」を避けるための援助のポイントを実例とともにご紹介します。

顔も見たくない! 自宅を全焼させた認知症の母が憎い

一人暮らしで来客がほとんどない87歳女性Nさん

千葉県で一人、年金暮らしをするNさん(87歳女性)は、10年前に夫が他界。

買い物には多少不自由があるものの、要介護申請はしておらず、なんとか日常生活を送っていました。

今は、年に数回遊びにくる3人の子どもたちと孫以外の来客はほとんどありません。

年齢の割に元気で頭もしっかりしていたNさんでしたが、年末に3人の子どもたちが集まったとき、「いつまでも元気でいてくれるといいけど、お袋ももう87歳。これからいつ介護状態になってもおかしくないよな」と子ども達が心配していた矢先のことでした。