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英語を話せるようになりたい、ビジネスの場面で自分の考えを英語で伝えたい…。「使うため」の英語を身に付けるには、どのような学習法が良いのでしょうか。社会言語学者の瀧野みゆきさんは、英語を「世界の共通語」として捉え直す「ELF(English as a Lingua Franca =エルフ)」という考え方を取り入れた学習法を提案しています。そこで今回は、瀧野さんの著書『使うための英語―ELF(世界の共通語)として学ぶ』から、新しい視点の英語の学び方を一部ご紹介します。

ミーティングに参加するとは

英語のミーティングに参加すると言っても、単にその場にいて、英語での議論が進むのを聞いているだけなら難しくはない。しかし、積極的にその意思決定に貢献しようとすると、難易度は高まる。

英語のミーティングでは、「静かに微笑みながら、英語の議論を聴き、発言しない人」は、他からは「我々の意見を聞いて、理解し、質問も反論もしないほど、すべてに賛成している」と解釈される可能性がある。

少なくとも、欧米のミーティングでは、そうみなされても文句は言えない。質問や反論のチャンスはあったのに、言わなかったのだから。

一方、自分としては、「英語が半分も聴き取れず、話についていくのがやっと。本当は反論したかったけれど、考えをうまく英語でまとめられず、発言のタイミングもわからなくて、何も言えずに終わってしまった」と思っていたりする。このギャップを埋めたい。