「センス」と聞くと、肩に力が入って窮屈という印象を受ける方もいるのではないでしょうか。「センスは『磨く』対象となるような堅苦しいものではなく、だれもが自分のものとしてたのしめるもの」と話すのは、SNSのフォロワーが10万人を超える人気プロダクトデザイナー・秋田道夫さんです。そこで今回は、秋田さんの著書『無理をせず、無駄を楽しむ センスのはなし』から、秋田さんが日常の中で大切にする「生き方のセンス」の一部をご紹介します。
毎日の「小掃除」でリセットする
「秋田さんのお部屋はすっきりしていますね」と褒めてもらえることが多いのですが、仕事場だからというわけではなく、実家にいたころから部屋は散らかっていなかったと思います。
きれい好きではないけれど、「整理好き」なんですね。「使ったものを元のところにしまう」という所作が、自然としみついています。
わたしの仕事場で打ち合わせの後、編集者と一緒に出かけることになったときに感心されたことがありました。「秋田さんは、コップをきちんと流しで洗ってから家を出るんですね」と。
あたりまえの動作だったので意外でしたが、そういわれてみれば「片づけは後回し」にする人のほうが多いのかもしれません。
わたしの場合、ものごとを始めるときには「持ち越し」の仕事がない状態ですっきりと着手したいので、片づけはその時々ですませておきたいという考えです。
結果として、毎日「小掃除」をしていることになり、年末の「大掃除」のために気合いを入れたことがありません。