MARUU=イラスト
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阿川佐和子さんが『婦人公論』で好評連載中のエッセイ「見上げれば三日月」。洗面所の鏡の前に並ぶ、化粧品の瓶や容器たちはいつからあったのか…中でも注目は「美容液」なのだそうで――。
※本記事は『婦人公論』2025年2月号に掲載されたものです

洗面所の鏡の前に立つたび、溜め息をつきたくなる。あまた並んでいる瓶や容器は、はたしてどれがなんであったか、この瓶はいつからあったか、必要なのか、そうでないのか。

もちろん、使用頻度の高い化粧水と、化粧水のあとにつける乳液というかクリームというか、その二つは、いちばん手に取りやすい場所にある。問題は、それ以外の瓶や容器だ。

チューブ型歯磨き、ハンドソープ、クレンジングフォーム、クレンジングオイル、目元用クレンジングオイル、日焼け止めクリーム、薬用デンタルローション、ハンドクリーム、ヘアオイル、ボディオイル、ボディローション、そして美容液が多々。

もちろんその都度、しっかり役割を果たしてくれる存在ばかりだ。しかし、こんなに要るか? 中でも注目したいのは、「美容液」である。