(イラスト:ナカミサコ)
一見、関係なさそうに思える「片づけ」と「健康」。この2つを結ぶカギは、自律神経にありました。(構成:浦上泰栄)

すぐに始められる究極の健康法

なぜ、モノが多くて片づかない家で暮らしていると、人は不調を感じやすいのでしょう。まず、掃除がおろそかになるためにホコリやカビが発生し、健康を害するのはいうまでもありません。また、床に置かれたモノにつまずいて転倒する危険も増えます。なにより重要なのが、自律神経との関わりです。

自律神経には、興奮・緊張状態になると働く「交感神経」と、リラックスしたときに活動する「副交感神経」があり、2つがバランスよく働くことで心身が安定し、ストレスに強い健康的な体を保つことができます。

ところが、散らかった部屋で長い間暮らしていると交感神経の活動が過剰になり、副交感神経の働きが弱まって、自律神経のバランスが乱れてしまう。なぜなら人は、ゴチャゴチャして整理整頓されていない状態を目にすると不快感を覚え、ストレスを感じる生き物だからです。

みなさんも、家に帰ったら玄関に散乱している靴を見てイラッとした、という経験があるはず。本来はくつろぎの場であるはずのわが家が、ストレスの元凶になっているのです。

私も50代の初めごろ、仕事や人間関係で悩んだ時期がありました。そこで、衣類がギュウギュウに詰まったクローゼットを手始めに、自宅を徹底的に片づけてみたのです。すると、頭の中がスッキリ整理されて気持ちも前向きになり、人生を好転させることができました。

以来、私にとって部屋の状態は心と体の健康を測るバロメーターになっています。部屋が乱れているのは心身にトラブルを抱えているサイン。なんとなく気分がもやもやするときは部屋を片づけて心を整えるのがおすすめです。

次からは、多くの人が抱く疑問にお答えしていきます。これらを参考に、ぜひ「究極の健康法」に取り組んでみてください。