【Q】「汚部屋」で暮らしていると、脳にも影響がありますか?
A 片づかない部屋でストレスを抱えると、脳の老化が進みます
人は情報の約8割を視覚から得ているといわれます。目から入ってくる情報は脳に与える影響が大きいため、生活環境が乱れていると、少なからず脳の働きも乱れてしまうのです。
たとえば、書類を読もうとしてテーブルに向かっても、読みかけの雑誌やチラシ、お菓子などが散乱していると、気が散って集中力がそがれ、作業の効率が落ちてしまいます。
私が知っている高名な外科教授のデスクはいつ見ても整然としていて、モノを置きっぱなしにすることがありません。デスクがきれいだと脳が活性化して課題に集中しやすく、いいアイデアが生まれるとわかっているからです。
加齢とともに脳も老化し、集中力や記憶力、判断力などが低下しますが、汚部屋でストレスを抱えていると脳の老化に拍車がかかり、認知症のリスクが高まります。
また、自律神経の乱れによって不眠やイライラなどの状態が長く続くことで、うつ症状を誘発することも。
片づけには選択の回路を動かして、脳を活性化させる働きがあるので、整理整頓を心がけましょう。
「捨てることに抵抗感」「年々、重い腰があがらなくなってきた」へのアドバイスは…
小林弘幸
順天堂大学医学部教授
順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。
1960年、埼玉県生まれ。87年、順天堂大学医学部卒業。92年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任する。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。また、順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した“腸のスペシャリスト"でもあり、みそをはじめとした腸内環境を整える食材の紹介や、自律神経と腸を整えるストレッチの考案など、様々な形で健康な心と体の作り方を提案している。『医者が考案した「長生きみそ汁」』、『結局、自律神経がすべて解決してくれる』(アスコム刊)などの著書のほか、「世界一受けたい授業」(日本テレビ)や「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBSテレビ)などメディア出演も多数。