片づけに悩む多くの人に、断捨離の手ほどきを続けて25年。やましたひでこさんが、これからのモノとの向き合い方や、自己肯定感を上げて人生をよみがえらせる知恵を伝授します(構成:山田真理 撮影:洞澤佐智子)
人生後半にこそ、快適空間が必要なわけ
ここからは、シニア世代と片づけについてお話ししましょう。
やはり人生後半は、気力や体力が失われていきます。どこに何を仕舞ったか忘れてしまうことも増えるでしょう。しかし私が確信を持ってお伝えしたいのは、「シニアこそ断捨離が必要不可欠」という事実なのです。
年をとるとモノが片づけられなくなる原因は、簡単にいえばキャパオーバー。自分の扱える許容量(キャパシティ)に対して、モノの量が多い。モノが多ければ、手入れや整理に時間がかかりエネルギーを消耗してしまいます。
また、喪失感や不安感を埋めるために人はモノに執着しがちですが、執着はあって当たり前の感情なので、根気よくつきあって。片づけた部屋が散らかっても、何度でも片づければいいのです。
モノに大切な空間・時間・エネルギーを奪われていると、どういったことが起きると思いますか? モノが詰まった棚は「狭くて使いづらい」、いつも探し物ばかりで「なんだか忙しいのよ」、体力・気力が奪われて「毎日ヘトヘト」。そんな文句ばかりを繰り返して人生を送るなんて、それこそもったいない!