年金生活になり、収入が少ない不安から、モノが手放せないという声も聞きます。ですが、家族や地域との交流があれば、「余っているので、どうぞ」とか、「おすそわけですよ」とお互い助けあうこともできるはず。
無縁社会や高齢者の孤立が心配される今、断捨離をして人を招くことができる家、地域に開かれた家にしておくことは、大切な老後の準備といえるのです。
私も義理の両親のときに苦労しましたが、年老いた親に介護サービスを受けてもらう最初の関門が、「家が散らかっていて恥ずかしい」ということも。
今のうちに断捨離に取り組んできれいになった家は、安心して住み続けられるだけでなく、その後、介助してくれる人が働きやすく、よりよい介護が受けられる環境になる。不要なモノがない整った空間をつくると、結局は「自分がおトク」なんです。
断捨離を始めるのに遅いということはありません。でも、着手するのが早ければ早いほど、人生の価値が高まって、ごきげんな毎日を新たにスタートできるのです。
私自身、東京と沖縄の自宅、鹿児島で手がけたリトリートスタイルの滞在施設を行き来しながら人生がどんどん軽やかに楽しくなって、いよいよ未知の70代。これからも断捨離を通して、どんな面白い世界が広がるのだろうとわくわくしているところです。