近年、『ゴジラ-1.0』や『君たちはどう生きるか』など、日本映画が世界的な注目を集めています。そうした状況を受けて、「日本映画界では世界を見据えた新しい道が切り開かれようとしている」と語るのは、映画ジャーナリストの和田隆さんです。今回は和田さんの著書『映画ビジネス』から一部を抜粋しお届けします。
「金曜ロードショー」が果たした役割
多チャンネル時代の現在、地上波で映画を放映する番組(レギュラー枠)は、日本テレビの「金曜ロードショー」、テレビ東京の「午後のロードショー」「サタ☆シネ」、フジテレビの「土曜プレミアム」がありますが、私が幼少期から大学生時代くらいまではこの他にも映画放送番組はもっとありました。各局、曜日や番組名、放送期間を調べてまとめてみました。
日本テレビ:「金曜ロードショー」
前身番組「水曜ロードショー」が1985年10月4日に金曜日へ移動。解説者として映画評論家の水野晴郎さんが登場(~97年3月)し、「いやぁ、映画って本当にいいもんですねぇ」というセリフで締め括っていました。2012年4月6日~21年3月26日までは「金曜ロードSHOW!」という番組名で、現在も放送が続いている長寿番組です。
子供、ファミリー層向けの作品を重視し、邦画・洋画とも、実写とアニメ、新作と旧作をバランス良く放送していましたが、2010年代以降はスタジオジブリ作品や『ハリー・ポッター』シリーズなど、特定ジャンルの作品を集中して放送するケースが増え、最新作が公開される際は、前日(または当日)に過去のシリーズ作を放送。ヒット作の地上波初放送も増えています。