<本音が正義><論破が最上>との雰囲気が醸成されつつあるインターネット社会。一方、そういった状況だからこそ、相手を直接傷つけたり、関係性を破壊しないコミュニケーション方法を模索するべき、と提案してきたのが脳科学者・中野信子先生です。時代の流れもあって、先生の主張をまとめた『エレガントな毒の吐き方』が、刊行から2年を経た今も2万部増刷するなど好評を博しているそう。そこで今回、刊行時に同書の一部を引用した記事をあらためて配信いたします。
相手をやり込めても、逆恨みされるかも
今回、「エレガントな毒の吐き方」について考えるに当たって、インターネットでアンケートをとりました。
「難しいシチュエーションなのに、こんな風にやり取りしていてすごいな」と思ったこと、逆に「これはちょっと」と思ったことなどを総計250人の方に回答していただきました。
ご協力くださった皆様、ありがとうございました。ただその回答を見ていて、気になったことがありました。
「難しいシチュエーションで、スカッと相手をやり込めた」という例を挙げた回答がそれなりの数、含まれていたのです。
スカッと相手をやり込める、というのは、相手を打ち負かしてそのあとのことを考えないということでもあります。
もう二度と会わない人が相手であればいいかもしれませんが、それにしても逆恨みされて、何らかのリスクを負うということになりかねません。