(写真:stock.adobe.com)

日本のメディア産業、ポップカルチャーの礎を築き、時にお上に目を付けられても面白さを追求し続けた人物“蔦重”こと蔦屋重三郎の生涯を描く大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK総合、日曜午後8時ほか)。ドラマが展開していく中、江戸時代の暮らしや社会について、あらためて関心が集まっています。一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生がドラマをもとに深く解説するのが本連載。今回は「系図」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!

「べらぼう」と直接関係ない話を書いていたワケ

幕府パートでの蝦夷地を巡るたくらみが進展するに従い、距離を縮めてきた田沼意知と花魁・誰袖。

一方、名門・佐野家の政言の背景も詳しく描かれるようになり、あくまで史実上での彼らの未来を知る立場としては、この先がどう描かれるか、心配であり、楽しみな昨今、本連載では「隠密同心からの交代寄合」と、2回続いて『べらぼう』本編とはあまり関係なさそうな話を書いて参りました。

なんだよ、関係ない与太話を・・・、と不満を持たれた方が多いと覚悟はしておりますが、それもこれも実は伏線だったのでございます。

いや、本郷先生の深慮遠謀、畏るべし(?)。