みうらじゅんさんの本の装幀を安齋肇さんが手がけたり、ともにポルノ映画を製作したり、「勝手に観光協会」を結成したり。長きにわたる名コンビで知られるおふたりと落ち合ったのは、東京・築地本願寺。境内に配置された牛の像の前で、ふと、清水ミチコさんがあることに気づきます(構成=篠藤ゆり 撮影=大河内禎)
赤いちゃんちゃんこ着たんだから
清水 あれ? なんか酒臭い……。
みうら あ、ごめん(笑)。今日は久しぶりに安齋さんとちょっと飲んでからここに来たの。
安齋 開始時間が遅かったから、しょうがないよね。
清水 信じられない。ゲストが飲んでくるなんて、この連載史上初だよ!
みうら そうなの? だってもう夜の8時だよ。こんな時間、そろそろ寝るかなって頃だもの。(笑)
安齋 そうだよ。飲みに行こうとなったら、夕方の4時か5時には始めるしね。
みうら ミッちゃんだって赤いちゃんちゃんこ着たんだから、本当はもう眠いでしょう。
清水 ちゃんちゃんこなんて簡単に用意できるもんじゃないよ。私はたいてい2時に寝て、朝は10時に起きてます。
安齋 えぇっ! 若いなあ。ちょっとしか歳が違わないのに。
みうら オレなんて、ここ4、5年は起きるの6時半だよ。
安齋 オレはもっと早いなあ。起きたら1時間くらい雑用をして、それからまた寝る。そのうち、こういうのが楽しみになるから。
清水 あーあ、ふたりがこんな年寄りくさいこと言うようになっちゃうなんて。
みうら なんか改めて年寄りくさいって言われると、凹むなあ。
清水 まあ、こわい新型肺炎が流行してる時はだから、抵抗力をつけるためにも健康的な生活を送ってるほうがいいのかな。〔編集部注:取材日時は2020年2月以前です〕
安齋 こんなに科学技術が発達しても、いまだ医学が追いつかない病気があるなんてね。人間にはまだまだできないことがいっぱいあるってことだよ。
みうら 確かにね。でも本当にこわいのは、起きたことに対する人間の行動のほうだったりするでしょ。ほら、オレたちが若い頃に流行ってた――、