(写真提供:Photo AC)
メンズスキンケア大学が、2018年に男性ビジネスマンを対象に実施した調査によると、日本人男性のスキンケア実施率は約5割だったそうです。そんななか、小説家の高殿円さんは、アラフィフの夫が息子の影響で突然スキンケアに目覚めたという体験をし、「おじさんの多くはなぜ『肌を気にすることが恥ずかしい』のか?」という疑問を抱きます。今回は、そんな高殿さんの著書『父と息子のスキンケア』から一部を抜粋し、ご紹介します。

スキンケアの種類がわからない

うちのおじさん(パートナー)は言いました。

「スキンケアの種類がわからない」

そう、結婚して25年も経つと、洗顔フォームは妻が買い、シャンプーも妻が買い、特に自分が選ばなくても手を伸ばせばある、という状態になりがち。そんなご家庭は意外と多いんじゃないでしょうか。

うちもそうでした。当たり前のように私が用意し、それをなんにも疑問に思わず家族が使う。

そんな我が家のルーティーンにほんのちょっとだけ変化が訪れたのは、息子が中学生になったころのこと。

とにかく息子は体が大きくて汗かき。いずれ大学に入ったら家から出すことは決めていたので、なんでも身の回りのことは自分でできるよう、まずは体臭コントロールを教えはじめました。

「腋臭(わきが)をケアするためには、こういう商品があるから、自分の使いやすいモノ、いいと思うモノを自分で選んで使ってみよう」

息子はいつしか、腋臭・体臭予防、制服の襟を固形石けんで洗うこと、服のリセッシュまでは自然とするようになりました。それでもお年頃なので夏場はすぐ汗臭くなるし、あとはお気に入りのTシャツが古くなるとどうしてもすぐ臭くなるなどの問題も起こります。1シーズンも着倒せば、よっぽどのブランド品でなければチェンジするのが無難、みたいなことはこつこつ、経験を積みながら判断できるようになっていきました。