「ばらちらし」。写真は並盛りで2000円。大盛りは、酢飯はもちろん具も多めになって2500円。白魚やホタルイカ、サヨリなど旬のネタもいろいろ入り、目と舌を楽しませてくれる。常時30種近くが揃う夜の寿司ダネを用いているので、内容は日によって少しずつ変わる。お椀はしじみのお吸い物。カウンター9席で1日2回転。限定約20食ゆえお早めに

ネタをちりばめた華やか「ばらちらし」

新宿駅東南口。飲食店がひしめくビル6階に見つけた穴場なランチスポットが、ここ「匠 誠」だ。オープンして3年。大将の志村誠さんは、四ツ谷の名店「すし匠(しょう)」で14年あまり修業を積んだベテランだ。その「すし匠」のDNAを受け継ぐランチがご覧のばらちらし。毎週火、木、土曜日のみのお楽しみである。

「30種類近くの具を入れています」。そう胸を張る大将の言葉通り、大ぶりの丼の中は、春の野山のように色とりどり。錦糸卵の上には、マグロをはじめ、ウニやコハダ、蒸し鮑、白エビもあれば子持ち昆布にタコ、穴子と実に盛りだくさん。

しかもマグロは漬けに、脂ののったノドグロはさっと炙って香ばしさをプラス。一方、カワハギやサワラなどの白身は、わさび醤油で1度あえてからと、ネタによって下ごしらえを変える細やかさだ。

酢飯も「ばらちらしには、ちょっと甘めのシャリのほうが美味しいから」と、塩と米酢のみで仕込む握り用とは別に用意するなど、味への手間を惜しまない。

夜のおまかせコースの定番おつまみ「毛蟹の甲羅詰め」。コースは、おつまみ15品と握り13貫で2万円。赤酢と米酢各々で仕立てた2種の酢飯を寿司ダネによって使い分けている

 

「食べやすいよう具一つ一つの大きさを大切にしています」と志村さん。下から掬って具とご飯をよく混ぜ合わせていただくも良し、週末ならのんびりと、具をつまみに一杯、も悪くない。予約をしたほうが確実だ。

 

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