(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
どのような人でも、少なからずファッションに惹かれる面を持っているものです。その心理について、ファッション・ジャーナリストの久保雅裕さんは「トレンドや自己表現の手段としての服の力を借りて、自身に幸福感をもたらすツールであることを無意識に感じているのだろう」と語ります。そこで今回は、久保さんの著書『アパレルビジネス』から一部を抜粋し、再編集してお届けします。

女性たちも男性と同等の地位を得られる時代に

「ジュリアナ東京」というディスコが大流行りしたことは、テレビの「昭和~平成」特集番組でご存知の人も多いでしょう。

扇子を振り回すワンレンボディコン(長髪の形がワンレングスで、体にぴったりと沿うボディーコンシャスな洋服)、ミニスカートの女性が登場する映像も平成生まれ以降の人にとっては、なかなか驚愕的で印象に残るビジュアルだったでしょう。

彼女たちにはディスコに車で送り迎えしてくれる「アッシー君」、ご飯を奢ってくれる「メッシー君」、お金やプレゼントをくれる「ミツグ君」といった友達が存在したなんて、まことしやかに囁かれたものです。その真偽のほどは不明ですが、それなりに存在していたのでしょう。

男女雇用機会均等法が施行されたのが86年。女性たちも男たちと同様、キャリアを積み重ねることで男性と同じように出世し、同等の地位を得られるという時代がやってきたと自己主張の強いスーツに身を包み、夜はドレスアップして出掛けていったものです。