(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
目まぐるしく変化する現代、心穏やかに日常を送ることが難しくなっているという方もいるのではないでしょうか。そんなとき、学校や施設へ宇宙講座を届ける活動をしている「あいプラネット」代表の野田祥代さんは、一呼吸して「心だけ宇宙に緊急避難」することをすすめています。今回は、野田さんの著書『夜、寝る前に読みたい宇宙の話』から一部を抜粋してお届けします。

水のあたりまえ

断水を経験すると、バケツなどに溜めた水で、ちゃぷちゃぷと食事のしたくや片づけをしたり、トイレをちょろちょろと流したりして、ふだんどれほど水を贅沢に使っていたか痛感します。たった数時間の断水でも蛇口から水がジャーと出るのはなんとありがたいことかと、あらためて気づくものです。

実は、水は宇宙空間にもたくさんあります。でも、ほとんどは氷なのです。ふだん私たちがあたりまえに使っている「液体の水」は、宇宙ではすごく珍しいようなのです。

太陽系は中心に大きく重い太陽がデンとあって、そのまわりを8個の惑星がくるくるとまわっています。

太陽から近いか遠いかで、8個の惑星の特徴はそれぞれ大きく違います。

地球はごつごつした「岩の惑星」(岩石惑星)に分類されます。

太陽に一番近いところをまわる水星と、2番目の金星、4番目で地球のひとつ外側の火星は、地球と同じ「岩の惑星」です。

火星の外側をまわる木星と土星は「ガスの惑星」。

さらに外側の天王星と海王星は「氷の惑星」。

岩の惑星の地球にたっぷり豊かな水があるように見えるのは、「液体の水が表面を覆っている」からです。

表面を覆う液体の水、つまり海です。

「水の惑星」ともいわれる地球の表面は、70%が海で覆われています。もし、海や山のデコボコをなくして地球の表面を平らにしたら、地球全体が水深2000m(2km)以上の海になるのだそうです。

川や湖もたくさんあります。そもそも人間の体は60〜70%が水分でできていて、そんな私たちの文明は、川の近くなど、水のあるところで始まりました。人間にとって水は、生活するにも生物として生きるためにも、どうしても必要なものです。