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人生100年時代、現役世代を駆け抜けた後はどのように過ごせばいいのでしょうか。精神科医の保坂隆先生いわく、人生後期は無理をせず「ほどほど」をキーワードに過ごすことが大切とのこと。『精神科医が教える 人生を楽しむ ほどほど老後術』より、日常生活を元気で楽しく暮らすための知識をご紹介します。

食事の時間を充実させる

「いやあ、今日は懐かしい友だちと久しぶりに会って、おいしいランチを楽しんできたよ。今夜は、ちょっと一杯飲もうかな」

「まあ、それはよかったわね」

さらに、「じゃあ、私も一杯いただこうかしら。で、どんな話で盛り上がったの?」となれば、さらに会話も弾み、まさに「酒は百薬の長」でしょう。

しかし、一日中何もせずにゴロゴロしていたあげく、「なんだかスッキリしない一日だったな。妙に疲れたから、酒でも飲んで憂さを晴らすか」

こんな雰囲気で飲み始めてしまうと、お酒をおいしく楽しく飲めず、いい気持ちになれないどころか、逆に悪酔いしてしまうかもしれませんね。

ときには、「ちょっと気分が落ちこんだな」と思うこともあるでしょう。そうしたときに「お酒を飲んでリフレッシュ」という人は、とくに男性の場合、少なくないようです。

たしかにお酒を飲むと、多少の落ちこみなら回復できますし、ストレス解消にもなります。お酒に含まれているアルコールが全身の血流をよくしてくれて、脳の働きがよくなるからです。

しかし、アルコールというのはなかなか適量で止められないものです。

また、とくにシニアは、現役世代よりも体内の水分量が減っていたり、肝臓の分解能力が衰えていたりするので、脳や体がアルコールの影響を受けやすくなっています。年齢とともに「昔よりお酒が弱くなった」「酔いがまわるのが早くなった」と感じるのはそのためです。