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「仕事に向き合おうとしてもうまくいかない」「上司が何を考えているのかわからない」など、働く上での悩みや不安は、いくつになっても尽きないもの。このような悩みについて、関西テレビや国際交流基金での勤務経験を持つ神戸学院大学現代社会学部の鈴木洋仁准教授は、「社会学」に基づいて考えることで、働きやすくなるヒントが見つかると語ります。そこで今回は、鈴木准教授の著書『社会人1年目の社会学』から一部を抜粋し、社会学の視点から職場のモヤモヤを解きほぐしていきます。

なぜ就業規則は読んでおいたほうがいいのか

新卒1年目の男性「副業NGなんて、知らなかった。就業規則に違反するかもって人事に注意されて、マジでダルイ」

鈴木准教授「それは災難だったね。昔は、分厚い冊子で就業規則を渡されたんだけど、いまはネットで読めるようにしている場合が多いよね。ますます読まないから、仕方ないかもしれない。でも、『ルールを守らない人』になっちゃうと、悪影響しかないから注意しよう」

読んでいてもいなくても、入社した時点で、就業規則を守らねばなりません。契約だからです。とはいえ、日本の法体系に収まらないといけません。労働基準法はもちろん、さまざまな法律の範囲内にです。

会社側も無茶な要求はできませんから、働く側もまた、受け入れるしかありません。労働組合を通じた労使交渉で変えてもらう方法もあるものの、まずは就業規則をよく読んで、副業をはじめ、NG項目に気をつけたいところです。

あらためて、こうした「ルール」について考えてみましょう。