漫才日本一を決める『M-1グランプリ』。25年度は12月21日(日)に決勝戦・敗者復活戦が行われることが発表されました。そこで過去に審査員を務め、漫才に対する分析が鋭すぎて「石田教授」とも呼ばれる「NON STYLE」の石田明さんが、『M-1グランプリ』についての思いを記した記事を再配信いたします。
*********24年度から「9人審査員制」が採用された『M-1グランプリ』。歴代王者を中心に新しい顔ぶれがそろったなか、注目を集めたのが石田明さんです。今回その石田さんの新刊『答え合わせ』から『M-1グランプリ』にまつわるお話を紹介いたします。
*********24年度から「9人審査員制」が採用された『M-1グランプリ』。歴代王者を中心に新しい顔ぶれがそろったなか、注目を集めたのが石田明さんです。今回その石田さんの新刊『答え合わせ』から『M-1グランプリ』にまつわるお話を紹介いたします。
なぜ「準決勝」でウケても「決勝」でウケないのか?
同じ「舞台に立って漫才をする」でも、寄席の舞台とM-1のような賞レースとではかなり違います。寄席では、早い話「より多くの人にウケること」が正義ですが、賞レースでは必ずしもそうではありません。
特に、現在最大の賞レースであるM-1ともなると、万人に通じる「ウケ」よりもっとコアなものを求めるお笑いファンが一定数、見ています。いうなれば「普通のタイ料理よりパクチー増し増しなほうが好き」な人たちですね。
M-1は準決勝を勝ち上がるのが一番難しいんですが、それは、準決勝の会場にコアなお笑いファンが多い環境だからやと思います。
M-1は、万人受けを求められる寄席で爆笑をとってきたような人たちが、むしろ苦戦する世界。特に僕らが挑戦していたころは、その傾向が強かったと思います。