厚生労働省の「令和6年 人口動態統計」によると、日本人の死因第2位は「心疾患」で、22万6388人が亡くなったそうです。そのようななか、「血管や心臓の病気は、長年の生活習慣が大きくかかわっています。そして、加齢とともに発症する頻度は格段に高まります」と話すのは、2012年に当時の天皇陛下(現・上皇陛下)の執刀医を務めた、心臓血管外科医の天野篤先生です。今回は、天野先生の著書『血管と心臓 こう守れば健康寿命はもっと延ばせる』から一部を抜粋し、血管と心臓の守り方をご紹介します。
高齢者、とくに75歳以上が受けておきたい突然死から守る3つの検査
年齢を重ねた世代がぜひ受けておきたい検査が「人間ドック」です。
生活習慣病は加齢とともにどんどん進行していくので、何か症状が出たときにはきわめて深刻な状態になっていた……というのが特徴です。その点を考えると、検査項目が多く、総合的に体の状態を把握できる人間ドックを受けておくのが、結果的にはリーズナブルだといえるでしょう。
また、高度な医療機関は、心臓エコー、CT、MRI(磁気共鳴画像)といった診断機器も性能の高い新しいタイプを備えている場合が多いので、それだけで病気の見逃しがほとんどなくなるといえます。
さらに、国際的な医療施設評価機関であるJCI(ジェイシーアイ=ジョイントコミッションインターナショナル)などの病院機能評価の認証を取っている医療機関であれば、診断結果についてしっかりチェックをしないと、電子カルテ上でアラート=警報が出るので、さらに信頼度が高くなります。