(写真提供:Photo AC)
厚生労働省の「令和6年簡易生命表の概況」によると、2024年の日本人の平均寿命は男性が81.09年、女性が87.13年だそうです。そんななか、ファイナンシャル・プランナーの首藤由之さんは、令和の「老後のお金」の問題点として「長生きリスク」を挙げ、「寿命が延びるにつれて必要な老後資金はどんどん膨らんでいく」と語ります。今回は、首藤さんの著書『これだけ差がつく!老後のお金 55歳から15年で2500万円をつくる』から抜粋し、50代で知っておくべき「新しい老後資金の作り方」をお伝えします。

「三位一体」で組み立てる

本記事では、「3つのお金」に分けてざっくりと老後資金を賄うコツをお伝えしていきます。

「3つのお金」とは、「働く」と「年金繰下げ(※)」、そしてお金を働かせる「ほったらかし投資(投資信託)」の3つです。

この3つは総力戦を展開する上での「パーツ」です。それぞれをうまく使いこなし、時には2つ、あるいは3つを同時並行させるなどして、100歳までが視野に入る高齢期の人生を自分で組み立てていく、それが老後資金を賄うコツになると思います。

それが本記事でいう「三位一体で考える」ことの意味です。

(1)月に5万円でも20万円でも、自分らしく無理なく「働く」

(2)「年金」の繰下げをする(70歳まで5年繰り下げれば年金額が42%アップ)

(3)iDeCo&NISAを活用しての「ほったらかし投資」で節税&インフレ対策

の3つがキーとなります。

※1カ月もらうのを遅らせるごとに年金額が「0.7%」増えていく仕組み。以前は「70歳までの5年」だったが、2022年の法改正で今では「75歳までの10年」繰下げができるようになっている。