(写真提供:Photo AC)
国士舘大学大学院客員教授・八幡和郎先生は、「近代日本において、全国のどこで生まれても地元の各都道府県に名門高校があり、良質な高校教育を受けることができることは国力の源泉となってきた」と語っています。当連載では、そんな八幡先生の著書『日本の名門高校 - あの伝統校から注目の新勢力まで』から一部を抜粋し、全国の名門高校をご紹介していきます。今回取り上げるのは「湘南高校」です。

湘南高校 県立/共学/神奈川県藤沢市鵠沼

甲子園でも優勝した神奈川県公立高校の老舗

横浜市の希望ヶ丘高校が神奈川県の一中であるが、戦災で横浜市西区から金沢区、ついで地理的に都心から不便な保土ヶ谷区(現在は旭区)に移転させられ、戦後は学区制がゆえに名門校としての評価を維持できなくなった。全国の旧一中のなかで、東大・京大合格者がゼロなのは、沖縄の首里高校希望ヶ丘高校だけという時期もあったが、最近は稀ではあるが合格者が出ている。

それに代わって、長らく神奈川県の県立ナンバーワンだったのが、湘南高校である。JR藤沢駅の北西1.7キロ、江ノ島電鉄の藤沢本町駅から近い。

大正9年(1920)に県下で六番目の中学として設立されたが、湘南地方には、横須賀に近いことから海軍軍人が居を構えることが多く、その強い要望によったという。軍関係への進学が多かったが、戦後、男女共学の湘南高等学校となった。

初代校長の赤木愛太郎が「日本一の学校」を目標に25年間にわたりその職にあり、「智・徳・体三育の調和的発達」「文武両道」の校風を確立した。その伝統を受け継ぎ「Always do what you are afraid to do! (最も困難な道に挑戦せよ)」を合言葉としている。

また、同窓会である「湘友会」や卒業生であるノーベル化学賞受賞者の根岸英一の支援を得て、海外交流にも力を入れてきた。校歌は、北原白秋作詞、山田耕筰作曲。

昭和24年(1949)の夏の甲子園で優勝しているほか、サッカーでも国体で優勝したことがあり、吹奏楽部も全国コンクールで優勝経験がある。