左から 大石静さん、中園ミホさん、残間里江子さん
左から 大石静さん、中園ミホさん、残間里江子さん
「人生100年時代」と言われる現代において、生きる指針をどう求めたらよいかについて語り合う、残間里江子さんが代表を務める「クラブ ウィルビー」のトークサロン(主催 キャンディッドプロデュース)が、2025年11月11日に開催されました。そのセッション4では、残間さん司会のもと、脚本家の 大石静 氏 と 中園ミホ 氏 が登壇し、「しあわせな人生」をテーマに率直なトークを繰り広げました。お二人はそれぞれ幸福観が対照的で。大石さんは人生を「長期悲観主義」と表現し、幸せはむしろ希少な瞬間であると語り、一方、中園さんは「短期楽観主義」を掲げ、困難の後にも必ず良いことが訪れるという前向きな人生観を示しました。大石さんが「再び結婚は望まない」と語る一方で、中園さんは「いつか結婚してみたい」と未来への希望を語るなど、人生観の違いと魅力があふれる率直なトークの一部をお届けします。(構成:丸山あかね)

「大石様×中園様 トークサロン(VOL.1)」はこちら

嫌いな人への対処法

残間 里江子(以下残間) 大石さんも人は天使の部分があれば悪魔の部分もあって、それを立体的に描かないと面白いドラマにはならないとおっしゃっていましたね。

大石 静(以下大石) 人間って本音の2割くらいを表に出し、8割くらいは隠して生きていますよね。嫌だなと思ってもにっこり笑っていたりするわけで。でもセリフは2割を表現しつつ、その奥に潜む8割も感じさせないとなりません。これが小説だったら「にっこりしたけど、内心では嫌だなと思った」と書けるけれど、セリフにそれは書けませんから、脚本家は実はとてもテクニックのいる仕事なのですよ。

残間 大石さんご自身は嫌だなと思ってもにっこりするなんてことはないでしょう? 好きと嫌いがはっきりしてますもんね。

大石 そんな傲慢じゃないですよ、我慢する時はしています。

残間 どういうタイプの人が一番嫌いなんですか?

大石 権力に媚びる人です。強いものに媚びる人は嫌いですね。

残間 嫌いな人とは一緒にいないことにしていると言ってましたよね。

大石 なるべく付き合い酒はしたくないですけど、そんな風に思うようにはいかないのが人生ですから。でも仕事では、たとえばこの役者は嫌な人だなと感じても、すっごくいい芝居をしてくれたらそれでいいと割り切ります。

残間 中園さんはどうですか?

中園 ミホ(以下中園) 仕事をしていて嫌いな人と遭遇することはありますよ。でもそこで私が暴れても何もいいことはないので。

残間 我慢するんですね。

中園 あの人と一緒に仕事をしたくないなんて言うと上までザワザワしてしまって本当に時間のロスになるので、なるべく関わらないようにしていますが、とにかく嫌いな人はいます。

残間 大石さんは権力に媚びる人が嫌いだとおっしゃったけど、具体的にはどういう人ですか?

大石 長いものに巻かれる人。そういう人は「自分がない」という意味で嫌いなんです。長いものに巻かれているほうが楽ですよね。社会の中で「それは違うんじゃないか」と思っても、仕方がないと流れていくほうが。でもそこで楽を取らず、自分なりの考えを持って、目を凝らして世の中を見つめないと後々えらいことになるんじゃないかなと思いますけどね。

残間 大石さんのはっきりしているところが好きだという人は多いけど、私は綺麗ごとでは済ませないという正義感がカッコいいなと思うんです。

大石 イヤダ! 私はそんな正義漢でも気難しい人間でもないですよ(笑)。大多数の人達とは仲良くしてますし。

残間 本当の優しさってベタベタしたものではないので、そういう意味で大石さんは優しい人だと思います。だからこそ綺麗ごとだけを言うような人も好きじゃないんだろうなと。

大石 綺麗ごとで生きている人だなと感じても、上っ面でスルッとつき合っている分には構わないんです。でも数少ない休みの日に一緒に過ごすなら、心から信頼している人と過ごしたいなと思っているというくらいで。