国士舘大学大学院客員教授・八幡和郎先生は、「近代日本において、全国のどこで生まれても地元の各都道府県に名門高校があり、良質な高校教育を受けることができることは国力の源泉となってきた」と語っています。当連載では、そんな八幡先生の著書『日本の名門高校 - あの伝統校から注目の新勢力まで -』から一部を抜粋し、全国の名門高校をご紹介していきます。今回取り上げるのは「洛星高校」です。
洛星高校 私立/男子校/中高一貫/京都府京都市北区
カトリック系で京都の医師会でも圧倒的な支配力
洛北高校などの公立高校が総合選抜制の導入で凋落するなかで、間隙を突いて出てきたのが、ヴィアトール修道会というカトリック系の教団が設立した洛星高校である。フランスのリヨンを本拠とする修道会が満州で経営していた暁東中学校が、カトリック系の学校がなかった京都にやって来たのである。昭和27年(1952)に洛星中学校が、同30年(1955)には洛星高校が創立された。現在も男子校である。
同じ頃、アメリカのセントルイスから来日したノートルダム教育修道女会の4人のシスターが、中高一貫制のノートルダム女学院と、共学のノートルダム学院小学校を設立した。これらは、熱心な勧誘活動が成功して、短期間に京都の富裕層の優秀な子弟を集めることに成功し、ノートルダム学院小学校から洛星中学へというコースが人気を集めた。
洛星高校では、京都の風土とフランス的カトリックが融合して、厳格さと自由な精神が混在した独特の校風ができあがった。キリスト教精神に基づく「全人教育」を掲げて、神父や修道士が現在も教職員とともに活動している。学校行事でも、クリスマス・タブローといわれるクリスマスの宗教劇が知られる。平成15年(2003)に高校からの募集を停止して受験指導を強めた。男子校で、共学化の要望も卒業生から強かったが、実現していないのは、ノートルダム女学院高校(京都市左京区)への配慮もあるともいわれた。
所在地は北野天満宮の近くだが、多くの学生は徒歩15分以上かかるJR嵯峨野線円町駅を利用しており、あまりよい立地とはいえないようだ。
