
ぬいぐるみのメンテナンス
ところで。
世の中には、ぬいさんが、ずっと、ずーっと、自分の処に来てくれた時から、ずっと、ずーっと、それまでと同じような感じでいてくれるものだと思っている方が……いらっしゃるみたいです。
いや、大体の場合、ぬいぐるみは、あなたが生きている限り、ずっと、ずっーと側にいてくれる“存在”なんですが(人間である“あなた”と違って、ぬいぐるみは“普通の意味では”病気にならないし、“普通の意味では”年もとりません。けれど、あの、吸血鬼じゃないんだからね。不老不死ではないです。
ぬいぐるみだって、“ぬいぐるみ的な意味で”年をとります。
数十年、ぬいさんと連れ添っていたら判ります。
年をとると、“ぬい触り”が違ってきます。
これは、“いつ”、“どう”って明言はできないんですが……間違いなく、違ってきます。経年劣化のせいで、あなたのぬいさん、年をとればとる程、弱くなってきてしまいます。(これを、ぬいぐるみの“老化”って言いましょうか。ぬいぐるみを構成している“布地”、それ自体が、年を経てしまったせいで、弱くなってきてしまうのね。)
また、ぬいさんは、人間でいう処の“病気”にはならないんですが……“ぬい癌”とか“ぬい肺炎”なんてものはないんですが……そのかわり、何となく、汚れてきます。これはもう、どうしても、そうなる。絶対に、そうなる。これを、ぬいぐるみの病気って言いましょうか。
あと、ひとは事故にあうことがある存在で……同じく、ぬいさんも、事故にあう可能性があります。どんなひとだって、転んで腕の骨を折る、とか、もっと酷い場合として、歩いていたら車に轢かれてしまった、とか、そういうことは、あり得ます。ぬいぐるみだって、あなたと一緒に歩いている時交通事故にあって、体の一部分が切断されたり、そういう事故にあってしまう可能性、あります。(あと……もっとありがちなこととしては……これは、経年劣化のせいなんですが……あなたがその辺にいる自分のぬいを手に取ろうとした時、そのぬいぐるみがどっかにひっかかっていたっていうことがあったら……いきなり、そのぬいぐるみ、「ぴー」っていって破けてしまう可能性も、十年もの、二十年もののぬいでは、あり得ます。これを、“事故”って呼ぶことにしましょう。)
そして。これはもう、あなたがどんなに注意して、自分のぬいを守ろうとしても、守りきること、無理。
はい。
ぬいぐるみだって、年をとって……そして、病気になることもあり……事故にあう可能性だって、あるんです。
もうお判りでしょう。
ここで必要になるのが、ぬいぐるみメンテナンス!
