男性が女性を演じる意味とは何か。現代劇と歌舞伎それぞれで女性を演じてきた篠井英介さんと尾上右近さんに、2人の舞台を長年観続けてきた関容子さんが切り込みます。(撮影:岡本隆史 聞き手:関容子)
男であることを隠さない色気
――篠井さんは劇団「花組芝居」時代に、歌舞伎の女方の代表的な役々、桜姫やお岩や玉手御前も演じていますよね。
右近 「花組芝居」は、知ってはいるけど映像でしか観てません。桜姫からお岩様まで演じるとはすごい。
篠井 パロディで、ですけどね。それでひと通り歌舞伎のいい役を演じましたから、じゃあ世の中に出てみて、現代劇の女方で通用するかどうか試してみなきゃ、と思って3年でそこを出た。
右近 生の舞台を観てみたかったです。ちなみに歌舞伎役者では、たとえば玉三郎さんが『椿姫』『サド侯爵夫人』『ナスターシャ』で洋装の女性を演じられたり、最近だと(中村)米吉さんが『オンディーヌ』のタイトルロールを演じてますけど、やはり時代物が多い印象です。何なんでしょうね、時代物というと安心感があるのは。
篠井 ある程度、型にはめられるというか、様式が活かせるからでしょうね。