藤原しおりさん(撮影:本社写真部)
『婦人公論』の公表連載「藤原しおりの TOKYOで世界一周」。毎回、TOKYOに息づく世界各国のカルチャーや、人々の暮らしを藤原しおりさんがレポートします。今回は「渋谷でエチオピア流お・も・て・な・し」。エチオピアのコーヒーセレモニーを体験します。

第3回●「ミャンマー料理に舌鼓。高田馬場の「リトル・ヤンゴン」」 

コーヒーセレモニー、おそるべし

エチオピアには「コーヒーセレモニー」なる文化があるという。お客さんをコーヒーで丁重にもてなす伝統的な文化で、一般家庭でも日常に欠かせないコミュニケーションツールなのだそう。

実際にセレモニーを体験してみて、この文化が国民に愛される理由が少しわかった気がする。豆を洗ったり潰したり、コーヒーを注いだりするなかで生まれる音に耳が癒やされ、焙煎中の香りに鼻が喜び、丁寧で美しい所作にはついつい目が釘付けになってしまう。

コーヒーにまつわる一連の過程を五感で味わうこの時間は格別!

一つ一つの過程にたくさんの魅力が詰まっていて、淹れたてのコーヒーが目の前に届いた頃には飲みたい気持ちがMAXに到達する。

一口飲んで、感動が溢れる。めちゃくちゃ美味しい。しかも塩を混ぜたり、ハーブを浸したり、コーヒーの飲み方もさまざまで、ずっと新鮮な気持ちで楽しめる。コーヒーセレモニー、おそるべし。