最期こそ慣れ親しんだわが家で迎えたい。でも、孤独死になって迷惑を掛けたら、突然体調が悪くなったら…と、どうしても浮かんでくる心配や疑問もあるでしょう。自身も「在宅でひとりで逝く」つもりの上野千鶴子さんが答えます(構成=篠藤ゆり イラスト=小川かなこ)
【不安1】孤独死はイヤだ
ひとり暮らしなので覚悟はあるものの、孤独死したら何日もほったらかしにされるでしょうし、迷惑をかけそうです。
⇒早く発見される手はずを
「孤独死がイヤだ」というのは、「臨終の時に誰もいないのは寂しい」という意味ですか。それとも「死後、なかなか発見されないとまわりに迷惑をかける」という意味でしょうか。多くは、後者だと思います。だったら、遺体を早く発見してもらうにはどうしたらいいかを考えればいいだけです。
幸いなことに、《ピンピンコロリ》の方は滅多にいません。要支援・要介護認定者の割合は、80代前半で約3割、85歳以上だと約6割です。介護保険につながっており、週1回でもヘルパーに入ってもらっていれば、1週間以内に発見されます。
問題は、本当にお元気で介護保険とは無縁だったのに、突然亡くなるケースです。それが心配なら、3日に1回とか1週間に1回、お子さんやご親族に安否確認の電話をかけてもらう。反応がない場合は家に入れるよう、誰かに鍵を預けておくことです。鍵がないと、ドアを壊して入ることになります。
身寄りもお友達もまったくいない方は、地域の民生委員さんとつながっておくと、いざという時のセーフティネットになります。
ご家族など第一発見者になった方は、119番や110番には電話しないこと。119番に電話をすると病院に搬送され、「変死」扱いになり、解剖にまわされる場合も。そうならないためには大きな紙に24時間対応の訪問看護ステーション、主治医、ケアマネジャー、訪問介護事業所の連絡先を書いてベッド近くの壁に貼っておくといいでしょう。
第一発見者はそこに電話すれば、どうすればいいか教えてもらえます。