「俺の奥さんも孫もナオキが大好きなんですよ」と言う吉幾三さん(右)に「ありがとうございます!」と答える真田ナオキさん(撮影:藤沢靖子)
2023年に歌手生活50周年を迎える吉幾三さん。シンガー・ソングライターとして作詞・作曲も手掛け、「雪國」など演歌の名曲からRAPまで、幅広い音楽活動を展開しています。また、後進の育成にも力を入れていて、2015年に吉さんに出会い、20年にレコード大賞最優秀新人賞を受賞した真田ナオキさんは、その筆頭格。活躍の場を広げている愛弟子・真田さんに、吉さんがいま伝えておきたいことは──(構成=上田恵子 撮影=藤澤靖子)

始まりはお酒の席

 ナオキは本当にファン層が広いよね。俺の奥さんもその姉さんも大騒ぎしてるし、小学3年生の孫娘もナオキのことが大好き。俺のポスターの上に、ちゃっかりお前のポスターを貼ってる。(笑)

真田 ありがとうございます!

 お前と食事に行くときは、絶対にうちのも来るからね。「何でも頼みなさい」って世話を焼いて。そりゃあこんな素直でまじめな息子がいたら、いいよなあ。(笑)

真田 ご家族の皆様にまで可愛がっていただいて、本当に感謝しています。先生は、飲食の席では仕事の話をしませんね。

吉さんの撮影をにこやかに見守る真田さん(撮影◎真田さんスタッフ)

 うん、酒は楽しく飲むというのが俺の信条だから。

真田 僕はお酒が飲めないので憧れますし、うらやましいです。

 いやいや、飲まないほうがいい。酒は人をおかしくする。俺なんか昔は、山本譲二とお札をばら撒きながら飲み歩いたもんだけど、今ヒジョーに後悔してます!(笑)

真田 先輩方の武勇伝は、何度聞いても豪快で驚きます。

 以前、細川たかしが経営していた店に飲みに行ったときなんか、俺と細川と山本の3人でたいていの歌を歌えるもんだから、お客さんにマイクを回さないんだ。客が怒っちゃって、細川にも「もう二度と来るな!」って言われたよ。