蝶ネクタイをつけたアポロ(左)とニコラと一緒に(撮影:宮崎貢司)
初めて自分で犬を育てたのは50歳のときという、ジュディ・オングさん。愛犬の死に際して、深刻なペットロスに陥った経験も。しかし、老いて最期を迎える様子をつぶさに見たことで、ご自身の中での変化もあったそうでーー。ともに年齢を重ねていく愛おしいペットとの関係について語ってくれました(構成=篠藤ゆり 撮影=宮崎貢司)

50歳のとき《自分の犬》デビュー

幼い頃から実家にはいつも犬がいました。母が犬好きだったこともあり、コリーから始まり、ボストンテリア、ポメラニアン、ボクサー、パグ、ゴールデンレトリバーなど。代々さまざまな犬と暮らしてきました。

実は、自分の意志で犬を飼おうと思ったのは、50歳のとき。新しい子を迎えたいと母に伝えたところ、「私の子にならないよう、あなたがすべて責任を持って育てなさい」と申し渡されました。

わが家にとっては8代目、私にとっては初となった子犬はウエスト・ハイランド・ホワイトテリア。白い毛並みがつやつやと輝いていたので「パール」と名付けました。初めての《犬育て》でしたから、ドッグトレーナーの方に相談しながらお世話に集中することに。仕事を3ヵ月休んで、《育休》を取ったんですよ。

トレーナーさんからはまず、「叱らずに、褒めるしつけ」を教わりました。

子犬の頃はあちこちでオシッコをします。でもそこで叱るのではなく、正しい場所でしたときに褒めるのが大事だと。「オシッコがいけないことと勘違いして、隠れてするようになると困るでしょう」と言われて、なるほどと納得。

一方、「甘やかす育て方はダメですよ」とのアドバイスも。なんでも子犬を最優先にすると、自分がリーダーにならなければと勘違いして、ストレスや不安を感じるのだそう。

生き物を飼う場合は、習性をちゃんと勉強することが大事だと痛感しました。