時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは50代の女性からのお便り。3人の年子の子どもを育てあげ、長男の巣立ちの時がきて――。
子どもの旅立ち
3人の年子の子どもを育てあげた。小さい頃は毎日のように𠮟り、怒鳴っていたように思う。自分でもどう育てていいかわからず必死で、いつもへとへとだった。
でも、手を焼き通しだったのは数年間だけで、あとは子どもたちが自分の意思で行動するように育ってくれた。
長女と次男は進学のために15歳で家を出て、寮生活を経て就職。長男は実家で過ごし、部活や趣味、バイト、勉学に励み、家のことも進んでしてくれた。
長男は、食べることと、家族に手料理をふるまうことが好きで、台所に立つと、パパッと一品作ってくれる。コーヒーを豆から挽いて淹れてくれたり、バイト代でおいしい魚を買ってきては刺身にしてくれたり。