親の多くが、わが子に「勉強好きになってほしい」と願っているはず。しかし、現実はといえばなぜか「勉強嫌い」に育つ場合がしばしば。そうなる原因の一つが「評価基準が成果主義に陥っているから」と主張するのが、中学受験専門塾「伸学会」の菊池洋匡代表。菊池さんいわく「子どもの評価は『成果』でなく『行動』に基づいてするべきで、行動を積み重ねるには『習慣化』が重要になる。実際、努力を習慣化できる子が、結果として成績優秀となる場合が多い」とのこと。では努力を続けられる子がどんな子かといえば、それが分かる有名な実験があるそうで――。
この記事の目次
人生の成功を予見する「マシュマロ・テスト」
努力できる子こそが、長期的に見れば成績優秀な子に育つ場合が多いのですが、努力ができる子とは、端的に言って「我慢強い性格の子」です。「自己コントロール力の高い子」と言い換えてもよいかもしれません。
そのことが簡単にわかる有名な実験があるのでご紹介します。スタンフォード大学(米国)の心理学者ウォルター・ミシェルが行った「マシュマロ・テスト」です。
マシュマロ・テストは、4歳くらいの子を対象にしたこんな実験でした。
――――――
1 被験者である子どもを、気が散るようなものが何もない、机とイスだけの部屋に通し、イスに座るよう伝えます。机の上にはお皿があり、マシュマロやクッキー、プレッツェルのような、その子が好きなお菓子が1個、載っています。
2 実験者は「私はちょっと用がある。そのお菓子はあなたにあげるけど、私が戻ってくるまで15分間食べずに我慢したら、もう1つあげる。私がいない間にそれを食べたら、2つ目はなしだよ」と言って部屋を出ます。
――――――
子どもたちはお菓子をもう一つ欲しいので、「今すぐおいしいお菓子を食べたい誘惑と戦う」ことになります。果たして我慢できるのでしょうか?