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自己コントロール能力が高い子は成功しやすい
このマシュマロ・テストで、誘惑に勝ってお菓子をもう一つ獲得できた子は、3人に1人ほどでした。
マシュマロ・テストはもともと、幼児期における子どもの自己コントロール力の発達を調べる目的で行われましたが、その後の追跡調査で、目の前の誘惑を我慢できた自己コントロール力の強い子たちは、成績優秀に育ち、大人になってからも社会的に成功する傾向があることがわかりました。
「自己コントロール力が将来の成功につながる」とする研究は他にもあります。
デューク大学(米国)の心理学者テリー・モフィット教授らによりニュージーランドで行われた研究では、子どもの自己コントロール力を、マシュマロ・テストではなく、親や保育士などの評定によって測定しました。
それらの子どもを32歳になるまで長期間にわたって追跡し、32歳の時点における社会的地位、収入、健康状態、犯罪歴などを調べました。
その結果、幼児期に自己コントロール力が強い子どもは、大人になったときの年収や社会的地位が高く、家を所有している確率が高く、循環器系疾患や呼吸系疾患などのリスクが低く、肥満にもなっていなかったそうです。