ロマンさん「2階のベランダで洗濯物干しながら、ご近所さんにおはようって声かけてるよ」(撮影:キッチンミノル)
「冷蔵庫にある食材を使い、3時間で10品以上の極上料理を作る」という料理テクニックが評判で、メディアでは“伝説の家政婦”とも呼ばれるタサン志麻さん。志麻さんのご主人はフランス人のロマンさんで、アルバイト先で出会った二人は2015年に結婚。ロマンさんは今現在、主夫として志麻さんの活動を支えています。そんな二人は子育てをするにあたって下町に引っ越したそうで――。

暮らしやすい家に整えてきた

志麻 私たちが下町暮らしを選んだのは、昔ながらのご近所付き合いのある地域で子育てをしたかったから。私は実家が山口県で、ロマンはフランス出身。どちらも実家の両親をすぐには頼れないけれど、子育てを夫婦2人だけで抱えるのは嫌だったんだよね。

ロマン この家、最初は古くてボロボロで怖かったよ〜。

志麻 そうそう(笑)。築60年の古い民家を借りて、床を張り替えて壁を塗って、2人でちょっとずつDIYをしながら、自分たちにとって暮らしやすい家に整えてきたんだよね。

私は両親が共働きで子どもの頃におばあちゃんにとてもかわいがってもらったんだけれど、今の家と出合ったとき、おばあちゃんの家みたいなあったかい風情が一度で気に入って。あまりにも古いのでロマンは最初は渋っていたけれど、引っ越してきて生活を始めたら気に入ったみたい。

やっぱり、この地域に長く暮らしている人が多いから、助け合いの心が根付いているのがいいよね。