なかなか明るい兆しが見えない日本経済。お金に関する不安にさいなまれないためにはどうすればいいでしょうか? 「老後のお金」や「節約」をテーマにした小説を発表し、「老後のお金」や「節約」をテーマにした小説を発表し、今年1月から葵わかなさん主演でドラマ化され、毎週土曜よる11時40分より放送中の『三千円の使いかた』を著した原田ひ香さんと、経済の動きをウォッチし続けてきた荻原博子さん。原田ひ香さんと、経済の動きをウォッチし続けてきた荻原博子さん。2人が語り合うなかで見つけた「これからの幸福なお金の使いかた」とは(構成=村瀬素子 撮影=大河内禎)
見える化すると不安はなくなる
原田 老後が不安という方の多くは、家計の実情を直視しないようにしているのではないでしょうか。
荻原 そう、見るのが怖いんですよね。けれど、今後の生活を見通すために、まずは家計を再点検していただきたい。具体的には、預貯金や保険、不動産、それにローンなどの負債も含めて資産をすべて書き出す。そして毎月の収支をざっくり試算してみる。
原田 自分の資産がどのくらいあり、月々どのくらい使っているか。見える化すると、具体的な対策を練ることができ、漠然とした不安はなくなりますよね。
荻原 家計簿が続かないという方も、予算だけは決めておきましょう。たとえば食費は月3万円、1週間6000円。その範囲でやりくりするのです。
原田 私も1ヵ月の予算を5週に分けて袋に入れています。使い切らず余った分は、5週目に自由に使っていいと決めているので、ちょっとした自分へのご褒美的な楽しみもあるんですよ。
荻原 えらい! 堅実ですね。
原田 昔、主婦向けの雑誌を愛読していて節約術を学びました。雑誌に登場する若い主婦たちは、夫の年収が200万円台なのに、子育てしながら食費の予算2万円でやりくりしていて、すごいなーと感心したんです。
鶏むね肉や豆腐など安い食材を駆使しておかずを何品も作り、身なりも部屋も可愛く整え、幸せそう。これを物語にしたいと思ったのが、私がお金をテーマにした小説を書くきっかけだったのです。