生理用品を買えない「生理の貧困」問題が深刻なワケとは――(写真提供:Photo AC)
女性の身体に起こる「生理」について、男性が知る意味とは?女性の生理について社会的に取り組むことは、女性優遇なのか?漫才コンビ博多華丸・大吉の博多大吉さんと、NHK「あさイチ」でもおなじみの産婦人科医・高尾美穂先生が「生理」をテーマに語りあいました。高尾先生いわく、生理用品を買えない「生理の貧困」問題が深刻なのだそうで――。

「ナプキンを買えない」に表れる深刻な問題

高尾 ここ数年よく聞くようになった言葉に「生理の貧困」があります。

「経済的な理由で生理用品を購入できない女性がいる」という問題ですが、大吉さんはご存知でしたか?

大吉 はじめてニュースで見聞きしたときは、ショックを受けましたね。

いままで考えたことがなかったんですが、生理用品を買えないのが深刻な事態であることはすぐに想像できました。これはどうした事情から、見えてきた問題なんですか。

高尾 最初に話題になったのは、2019年に消費税率が8%から10%に引き上げられたときですね。生活必需品であるのに、軽減税率の対象にならなかった。

生理がある女性にとって、生理用品はなくてはならないものという理解が、社会全体で見ると足りていないのだろうと思いました。

さらにコロナ禍を迎え、女性の貧困がクローズアップされました。

男女間にもともと賃金格差があるうえに、女性は男性と比べると非正規雇用の人の割合がずっと大きく、営業自粛などが長期にわたってつづいたことで勤務先でのシフトが減るなど、生活に打撃を受けた人が多かった。

そのうえ追い打ちをかけるようにして、物価高です。日ごろの食事にも事欠く人は、生理用品にお金を回せません。