(イラスト:チームおゆき)
総務省が発表した2022年12月の消費者物価指数は、前年同月比で4.0%上昇。16ヵ月連続で上がっており、激安情報を求めて東奔西走する日々を送る人も多いはず。良いものをなるべく安く買いたいのは、消費者としての当然の願いです――。久田佳子さん(仮名・宮城県・保育士・44歳)の場合は、思い切ってネットで買ったドアモニターがまさかの…。

タンスの肥やしになったグレーのパーカー

《お得》はギャンブルだ。世の中、本当のお得とインチキのお得、両方が溢れている。どちらを選択するかは自分のセンス次第。

私は髪を切る際、カット1200円の激安美容院を利用している。スタイリストの指名はできない。その日に当たった人の腕がよく、3500円の店と同じように仕上がったら私の勝ち。「これ1200円の店で切ったの」と周囲に自慢する。もしイマイチだったとしても、髪なんてすぐ伸びる。「こんなふうにしたい」とスマホで写真を見せ、細かく要望を伝えるのがコツだ。

私は通販サイトの福袋に目がない。「こんなに入って5000円だなんてお得だわ。あれ……?」。1ヵ月前にそのサイトで買ったのと同じ黒のロングスカートが出てきた。

それで懲りればいいのに、数ヵ月後にまた「お楽しみ袋」という企画があり、秋物のグレーのパーカーと一緒に注文。するとなんと、お楽しみ袋にも同じグレーのパーカーが入っているではないか。2着もいるか? いや、いらない。静かに自問自答し、タンスの肥やしとなった。

《お得》に弱く残念な結果になることの多い私。ついに取り返しのつかない失敗をしてしまうことになる。