床の上、テーブルの上、カウンターの上。ここをいつもスッキリ、ゼロベースにしておきましょう(提供:photoAC)
断捨離とは「断つ・捨てる・離れる」を軸にした、住まいと心の整理のこと。この3つの行動をくり返すことによって、人生を展開させることができると話すのは、断捨離の第一人者であるやましたひでこさん。掃除したいと思いつつ、モノをそのまま放置している方も多いのではないでしょうか。いるだけで元気が満ちてくるリビングを作るためのポイントをやましたさんがアドバイスします。

いるだけで元気が満ちてくるリビングとは

運=神様だとしたら、運も神様も「明浄(めいじょう)な空間」を好みます。明浄とは、明るく清らかなこと。神道では「明浄正直」が理想の心のあり方とされており、私は神様を祀る神社のような空間づくりを目指しています。

いろいろなお宅を訪問すると、明浄の「明」すら確保されていないお宅も少なくありません。あるお宅はリビングのカーテンを閉めきったまま、薄暗い中で生活をしていました。

「いつからカーテンを開けていないのですか?」とたずねると、なんと「10年前から」とのお答え。きっと10年前に思い出したくない何かがあり、それ以来、部屋を暗くして、見ない、見えないようにしていたのでしょう。

断捨離はカタチあるモノを通して、自分の意識を「見える化」すること。あなたの見えない運気は、あなたのカタチのない運勢は、住まいのありさまでちゃんと可視化されているのです。

私はリビングに入るなり、窓の前に鎮座する荷物の積みあがったソファを乗り越え、カーテンを開けました。光が差し込むと視界が広がり、同時にホコリも見えてきます。そう、自分たちがホコリの中で生活していることに気づかなかったのです。「ホコリでは死なない」と言う人がいますが、このありさまは人生の運気を殺しているとしか思えません。

断捨離は、見ることから始まります。

そのうえで、不要・不適・不快を取り除く「お祓い」をし、掃く・拭く・磨くで「お清め」をする。このくり返しです。

明るさは、明浄な空間への第一歩。やさしい光が差し込み、やわらかい風が流れる明るいリビングをつくりましょう。