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〈治療〉胆汁酸を増やす新しい治療薬も
治療は、「生活指導」「食事」「運動」「心理療法」「便秘のタイプに合わせた薬物療法」の5つが柱。生活指導などで改善しない場合は、薬物療法を行います。
その第1選択薬は「酸化マグネシウム製剤」で、浸透圧性下剤ともいわれています。浸透圧で大腸内に水分を引き込み、便を軟らかくしてくれます。効果が十分でない場合は、「刺激性下剤」を併用。これは腸の粘膜を刺激して排便を促すもので、一時的に使います。この薬物療法で十分でない場合は、「グアニル酸シクラーゼC受容体アゴニスト(リンゼス)」や「クロライドチャネルアクチベーター(アミティーザ)」を処方。
リンゼスは便に水分を補給し軟らかくして排便を促すとともに、便秘型過敏性腸症候群のように腸が過敏になっているのを抑えてくれる作用もあり、過敏性腸症候群の便秘型には有効な薬です。一方、アミティーザは小腸に作用して水分を増やし便を軟らかくします。ただ、若い人ではお腹が張ったり、気持ちが悪くなったりするケースも。
さらに、胆汁酸の再吸収を阻害し、胆汁酸の量を増やして大腸の水分を増やす「胆汁酸トランスポーター阻害薬(グーフィス)」も使われます。浸透圧性下剤であるポリエチレングリコール(モビコール)も有用です。また、「漢方製剤」を希望する方には「潤腸湯(じゅんちょうとう)」「大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)」などが処方されます。