イラスト：小林マキ
年々、過酷になる暑さ――「熱中症」が心配な季節となりました。ときに命にかかわることもあるだけに油断は禁物。家族みんなで上手に危険を回避しましょう（イラスト／小林マキ　取材・文・構成／岩田正恵《インパクト》　デザイン／米山和子《プッシュ》）

「かくれ脱水」に気づき早めに対策する

とりわけ注意が必要なのが高齢者。筋肉量が少ないだけでなく、暑さやのどの渇きに気づくセンサーが衰えるため、「かくれ脱水」に陥る危険性が高まるというのです。

「暑い日は外出時に限らず、家の中でも汗をかき、体内の水分が減っていきます。にもかかわらず積極的にエアコンを使おうとせず、水分補給も滞りがちだと、いつの間にかかくれ脱水が進行してしまうのです」

かくれ脱水とは、いわば本格的な脱水にいたる手前の状態。ここで気づいて早めに対策することが、熱中症への進行を食い止めることにつながります。足がつったり、尿の色がいつもより濃かったりしたら、水分不足のサイン。すぐさま水分補給をしましょう。

「自分では気づきにくいだけに、『今日は暑いからクーラーをつけて』『ちゃんと水分をとった？』と声をかけ合うなど、家族や友人同士で気にかけましょう」