時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは栃木県の70代の方からのお便り。ハワイに旅行中、体調を崩してホテルの近くの病院にいくことに。そこで通訳をしてくれたのは――。
海外で急病に
ハワイで体調を崩し、初めて海外の病院を受診。救急車を呼ぶと100万円もかかると聞き、宿泊先のホテルに近い病院を紹介してもらった。
ベッドは清潔だった。ドクターは40代の白人男性。ナースは20代の黒人女性。通訳は82歳の日本人女性。ナースが右手の甲に注射針を刺し、採血、血液検査のあと、点滴をしてもらう。診断結果は脱水症。大きな病気ではないとわかってほっとした。
点滴を受けている間、通訳の女性が夫に、海外旅行保険の書類の記入法を教えてくれた。その凜とした態度に頼もしさを感じる。「日本には82歳で働いている人はいないでしょう」と彼女。とっさに「デヴィ夫人は体を張ってお仕事してますよ」と言うと大笑いされた。ハワイは物価が高く、健康保険も年金もないが定年もないから、この年でも働いているのだと言っていた。パイロットや警察官には定年があるらしい。
約1時間の点滴で元気になり、その後の日程も楽しむことができた。ハワイに住むことへの憧れはあるが、現実は甘くない。バカンスで行くところだと改めて感じた。